Venturesのことというよりも音楽について語ることが好きなのかな。よし!Gerryの音楽性を元にして話を広げてみよう。
先日から話しているとおり、Gerryの親父さんはケイジャンミュージックというジャンルのバイオリン(フィドル)奏者だったそうだ。ケイジャンミュージックとはケイジャン地方、つまりルイジアナ南部のあたりに住んだフランス人の子孫が奏でる音楽のこと。
彼のソロCD「マイ・ギター・メモリーズ」のインタビュートラックに彼の父親デニス・マギーの奏でる音色を聞くことができる。
ルイジアナといえば音楽の盛んな地方であることは言うまでもない。JazzやCountry R&B等町のいたるところで聞くことができる。
幼少期より、音楽に根ざした環境が整っていたわけだから、興味を持たないわけがないだろう。Wikipediaによれば、彼がギターを始めたのは20歳からだそうだ。普通は幼少期から初めて大成するものだと思うが、これだけ成長した後から楽器を初めて世界的バンドのリードギターを勤め上げるのだから、想像を絶する練習をなさったのであろう。
さて、スタジオミュージシャンとなり研鑽を積んでゆく彼は、そのポジションから様々なジャンルの音楽を吸収していく。あるときはエルビス・プレスリーのバックバンドもしていたそうだ。
King of Rock'n Roll -Elvis Presley-
Rock'n Roll の歴史をさかのぼっていくと黒人霊歌(African-American Spirituals)に行きつく。黒人霊歌とは奴隷制の下徴収された黒人の方々が生活の中で歌っていた民謡である。多くのものは口伝で伝えられてゆく。それを体系化し、音楽のジャンルとして確立していったジャンルの一つがBluesだ。正に先駆者たちの魂が込められている。
悲しみ、幸せ、逆境、様々なものが込められている。更にBluesは発展して行きJazzとなった。主に黒人の手により発展していっている。JazzやBlues奏者に黒人の方が多いのはこのためだ。音楽の歴史一つとってもこれだけの文化的背景が降り混ざる。ド素人の私が簡単に口にしていいようなものではないかもしれないが、しばらくご容赦願いたい。
さらに音楽性は発展して行き、白人が扱うジャンルと黒人が扱うジャンルが分かれ始めた。黒人の人が演奏すると「Soul Music」と言われるが、白人が扱うと「Rhythm & Blues = R&B」となる。おかしいね、同じ発展をしてきたのに。
Rock'n Rollはどちらかというと白人が演奏しているものが多い。黒人が演奏しているジャンルはBlues Rockが適当であろうか。
このBluesという音楽に取り憑かれ、音楽家として大成功を収めた超有名人がいる。
そう、Eric Claptonである。あまりの高速演奏で指がゆっくり動いて見えるということから「Slow Hand」の異名をとったほどである。
-Eric Clapton-
彼も現代では、Hard RockやBlues Rockなど様々なジャンルを引きこなす現代の達人の一人であるが、ミュージシャンを志した当初はやはりBluesmanになりたかったようだ。ヤードバーズという、BulesやRock'n Rollをメインに演奏するバンドにに所属したが、バンドがPops路線に変化したことでメンバーとの反発が生まれ去っていったという。
詳細は割愛させていただくが(興味のある読者はWikipediaを参照されたい)、ここでEricとGerryの道が交差する。先日記載した、デラニー&ボニーというバンドが彼らの交差点である。
ここにギタリストとして所属していたGerryは当時のVenturesで活躍していたNokie Edwardsの脱退に際し、オーディションを受けないかという話を持ち込まれたようだ。そこで見事lead guitarの座を掴むのだが、デラニー&ボニーのギタリストの後釜に座ったのがEricであった。とうじEricはGerryの演奏を聞き驚嘆し、Country MusicやBluesに開眼してゆくという有名なエピソードを残している。
また彼らは今であっても親交があり、時間が合えばセッションを楽しんでいるという。
Gerryは再三書いているとおり、非常に音楽性が広い&Bluesの造詣が深い。文書で語るより彼の演奏を聞いていただいたほうが早いだろう。
--Gerry Mcgee Special--
とても即興で弾いているとは思えない、Bluesmanの一端を見ることができ、また彼がテレキャスタータイプのギターを引いている珍しい映像である。
Gerryといえば主にストラトタイプのギターを使う。最も多用しているのはEric claptonのSignature modelだろう。
その次に自身のSignatures model そのまた次が Ventures modelだろうか。
Signature modelはそのプレイヤーのちからを最大限に引き出してくれる名器である。これだけの楽器を華麗に弾きこなす人はそうはいないだろう。
Ventures modelを引いている時の名曲と思っているのがこれ。
The Ventures -Cruel Sea- (Gerry used Stratocaster Ventures model) in Japan 1997
どう真似してもこのようには弾けない…楽譜にすれば単純な曲なのに…
このようにGerryの魅力は書いても書いても書ききれない。千の言葉を並べるよりは世に出ている一つの曲を聞いていただくほうが説得力があるだろう。
ぜひ、Gerryの紡ぎ出す世界に浸っていただきたいものである。
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